日銀利上げいつ 決定会合現状維持で一致

　「長期金利は注意深く見なければいけない。長期金利の変動に関係なく短期金利の調整をするわけではないが、長期金利が上がれば金利引き上げを節約できるということにはならない」

　長期金利はこの１か月で０・３％程度上がり年１・９％台で、世界的にも金利は上昇傾向にある。長期金利上昇の背景に、日銀が近く利上げするのではという観測があるが、福井総裁の言い回しは微妙だ。

　金利上昇による景気減速を心配する声に対し、「長期金利の変動による将来の経済・物価の姿に修正を要する事項があるかどうか考えていきたい」と述べただけで、金利上昇が利上げに追い風なのか逆風なのか、はっきりさせなかった。

　外国為替市場では円安も進み、１５日の東京市場では約４年半ぶりの１ドル＝１２３円台となった。市場では、行き過ぎた円安を是正するという意味で利上げの正当性が増すとの見方もあるが、福井総裁は「円安＝リスク要因と、そう単純なものではない」と指摘した。 

（2007年6月18日  読売新聞）

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